筑紫地区



 旧筑紫郡には私の想像を超える量の、白水淡の墨跡があったため、地元の春日市を分離して、春日市以外の旧筑紫郡で1ページを建てました。準地元だけあって旧筑紫郡にも多くの墨跡が残っています。(すでにこのページも満杯状態ですので、近いうちに再分割します。)

 現在の大野城市を青福岡市を緑色那珂川町(2018/10/1より那珂川市)を赤筑紫野市を紫は筑野市のカラーで色分けしています。 (大野城市・福岡市南部・那珂川町<2018/10/1より那珂川市>・筑紫野市・<春日市>ともこの時代は筑紫郡。)



老松神社(下大利)注連縄掛柱


銘文
右表
 一片丹心三尺剱
左表
 神風吹我入郷關
右裏
 出征記念 陸軍歩兵一等卒 渋田藤三郎
左裏
 大正八年三月吉辰
   陸軍中従四位勲三等功三級白水淡書
場 所
大野城市下大利 老松神社
備 考


宝満神社(中)注連縄掛柱


 
銘文
右表
 神威長照八洲天
左表
 仰見竈山千仭嶮
右裏
 陸軍中白水淡書
左裏
 大正十年四月
  参宮同行中
場 所
 大野城市中 宝満神社
備 考


宝満神社(御陵)注連縄掛柱


銘文
右表
 神徳排妖霧
左表
 國基如竈山
右裏
 大正十年四月
  参宮同行中
左裏
 陸軍中白水淡書
場 所
 大野城市中 宝満神社(御陵中学校横)
備 考


警固神社(警弥郷)注連縄掛柱




銘文
右表
 春夏秋冬風雨順
左表
 東西南北靡神威
右裏
 大正十一年九月二十八日建之  以下寄進者個人名
左横
 陸軍中將白水淡書
場 所
 福岡市南区警弥郷
備 考


白壁喜七翁頌徳碑
 
銘文
表銘
 白壁喜七翁頌徳碑  
裏銘
 (白壁喜七の事跡が書かれている)
   大正十二年一月 陸軍中將從三位勲一等功二級白水淡撰並書 
場 所
 大野城市中
備 考


山王日吉神社 注連縄掛柱


銘文
右表
 人和而郷○
左表
 至誠而通神
右裏
 
左裏
 大正十三年九月吉日
     陸軍中白水淡書
場 所
 福岡市博多区山王 山王日吉神社
備 考
 当時は筑紫郡


消防記念碑
 
銘文
表銘
 消防記念碑
    陸軍中白水淡書
裏銘
  由緒について細かく書かれている
     大正十四年四月十二日 
場 所
那珂川町(2018/10/1より那珂川市)山田の公民館 
備 考
白水の書いた碑が、春日市の隣の那珂川(実際はこの時代、もう少し小さな 村
単位ですが)にないのが不思議でしたが、やはりちゃんとありました。

 那珂川町(2018/10/1より那珂川市)郷土史研究会の高橋さんが見つけて教えて
くださいました。


砥上神社 注連縄掛柱




銘文
右表
 神威輝萬方
左表
 皇澤被群者
右裏
 大正十四年十月十四日建之
左裏
 陸軍中將 従三位勲一等功二級 白水淡書
場 所
 筑前町砥上 砥上神社
備 考
 古都大宰府保存協会の方から教えていただきました。

※朝倉郡夜須村(建立当時)ですが、当該地域ではまだこの一基しか見つけられ
ていませんので、便宜上隣接の筑紫郡のページに置いています。


生田秀三郎翁頌徳碑
 
銘文
表銘
 生田秀三郎翁頌徳碑
   陸軍中従三位勲一等功二級白水淡書
裏銘
 (生田秀三郎の事跡が書かれている) 昭和二年三月  
場 所
 大野城市雑餉隈 恵比須神社隣
備 考


宝満神社(山田)注連縄掛柱


銘文
右表
 其進也循序
左表
 其新也執中
右裏
 陸軍中白水淡書
左裏
 昭和二丁卯三月吉辰建之
   山田氏子中
場 所
大野城市山田 宝満神社
備 考


二日市八幡宮神社碑
 
銘文
 郷社八幡宮 
 昭和二年三月 
        陸軍中白水淡書 
場 所
筑紫野市二日市 二日市八幡宮
備 考

 入口には白水揮毫の神社碑があるが、一番奥には奥保鞏揮毫の


「日露戰役彰功紀念之碑」がひっそりと建っている。



宝満神社(筒井)注連縄掛柱


銘文
右表
 皇風周六合
左表
 神徳耀乾坤
右裏
 御大典記念
左裏
 昭和三戊辰三月建之
右横
 陸軍中白水淡書
場 所
大野城市筒井2 宝満神社
備 考


水城小学校 寄付者芳名碑


銘文
 小
       寄者芳名碑
 設備費

     陸軍中將 白水淡書
 
右横
 昭○三年九月建之  
場 所
太宰府市水城小学校 校庭
備 考
古都大宰府保存協会の方から教えていただきました。


宝満神社(井相田)注連縄掛柱






銘文
右表
 時平民
左表
 神照千秋
右裏
 昭和三年戌辰秋御大典記念
左裏
 井相田氏子中 石工 (個人名)
右横
 陸軍中白水淡書
左横
 社掌 (個人名)
場 所
福岡市博多区井相田3丁目
備 考
昭和3年当時は筑紫郡那珂村
HPのテーマからは外れますが、ここの鳥居の銘文は面白い(詳しく書いてある)。



住吉神社(曰佐)注連縄掛柱



銘文
右表
 皇風周六合
左表
 神満乾坤
右裏
 昭和三年十一月建之氏子中
左裏
 陸軍中白水淡書
場 所
福岡市南区曰佐(おさ)住吉神社
備 考
当時は筑紫郡曰佐村


宝満神社(横手)注連縄掛柱




銘文
右表
 瑞雲籠日域
左表
 萬古仰神孫
右横
 陸軍中従三位勲一等功一級白水淡書
右裏
 昭和三年十一月
左裏
 御大典記念
場 所
福岡市南区横手 宝満神社
備 考
曰佐小学校隣り。


筑紫神社 忠魂碑
 
銘文
 忠魂碑
右横
 御大典記念 昭和三年十一月十日
左横
 陸軍中將從三位勲一等功二級白水淡書
場 所
筑紫野市筑紫 筑紫神社に尊王烈士碑と並んである。
備 考

 白水の碑が並んで建つその前には、


桂太郎の「日露戦役顕彰紀念之碑」が鎮座している。


筑紫神社 尊王烈士碑
 
銘文
 尊王烈士碑 
      陸軍中将従三位勲一等功二級白水淡書
  昭和三年十一月十日
場 所
筑紫野市筑紫 筑紫神社
備 考

 同じ日に建立された「忠魂碑」と「尊王烈士碑」が並び建つ。どちらも「筑紫村」に
よる建立であり、明治以降の戦争で、この地から出征し亡くなった方と、幕末の筑
前福岡藩の志士を顕彰する碑を、同時に建てたのであろう。

 筑前福岡藩黒田家の「志士」は、幕末一時藩を掌握するも、四境戦争(第二次
長州征伐)を前に幕威が盛り返した時に、幕府の顔色をうかがう主家(黒田長溥
は 「尊王佐幕」だった)にことごとく切腹・斬首させられ、壊滅状態になった。

左)忠魂碑 中は慰霊碑(白水書ではない) 右)尊王烈士碑


三郎天神 注連縄掛柱


 

銘文
右表
 年
左表
 神照郷
右裏
 陸軍中將白水淡書
左裏
 昭和三年十一月建之
場 所
筑紫野市常松三郎天神
備 考


宝満神社(乙金)注連縄掛柱


 

銘文
右表
 致誠神徳照
左表
 人和里門昌
右裏
 陸軍中白水淡書
左裏
 昭和四年四月吉日
  大記念
場 所
大野城市乙金 宝満神社
備 考

 
屋形原 老松神社神額






銘文
神額
 老松宮
右表
 昭和四年四月吉日
左表
 昇格記念村氏子中
右裏
                            世話人 以下個人名
左裏
 陸軍中従三位勲一等功二級白水淡書  発起人 以下個人名
場 所
福岡市南区屋形原 老松神社
備 考
鳥居柱の裏面に白水の名を見つけ、鳥居柱の表を書いたのと思いましたが、こ
れは活字のように特徴のないきれいな文字です。

よって、神額の揮毫をしたものと判断しました。

下長尾八幡宮 注連縄掛柱

 

 
銘文
右表
 皇風萬古蒙群類
左表
 神コ於今照八紘
右裏   下長尾氏子中
左裏
  昭和四年己巳八月二日建立
左横
    陸軍中白水淡書
場 所
福岡市城南区長尾 八幡宮
備 考
下長尾は早良郡(昭和4年4月に福岡市に編入)ですが、該当地域からは一基し
か見つけられていないため、とりあえずここに置きます。

大石 市川梅幻翁之碑

銘文
 軍事功者 市川梅幻翁之碑
   陸軍中従三位勲一等功二級白水淡書
裏面には、市川梅幻翁の事績が細かく書かれているようですが、苔むしていて読
み取ることが出来ません。「一戸大将」や「白川大臣」の文字をかろうじて読むこと
が出来ましたが、一戸兵衛の大将進級が大正4年で、大正8年後備役編入、昭
和6年没です。白川義則が陸軍大臣を務めたのは、昭和2年から4年の間です。

 これだけでは、具体的にどの戦役での功労なのかは見えてきません。(平時の
兵器開発・諜報活動・寄付ということも考えられますが。)

 昭和四年十月の文字があるので、建立年月と判断した。
場 所
筑紫野市大石 県道65号線沿い
備 考
古都大宰府保存協会の方から教えていただきました。

大歳神社 大正七八年戰役記念碑
 

銘文
右表
 ☆奉納 大正七八年役記念碑
 
右裏
 陸軍中従三位勲一等功二級白水淡書
左裏
 
場 所
筑紫野市山口 大歳神社
備 考
揮毫・建立年不明。

 上に砲弾が乗っている。現在も各地に残る兵器奉納記念碑は、太平洋戦争の
金属供出により、ほぼ半分くらいは肝心の砲弾が乗っていない。

上の砲弾が外された碑
可愛らしい砲弾が乗る碑
朝倉市蜷城 三奈木神社
糟屋郡須惠町 駕輿八幡宮
どちらも日露戦役記念 揮毫者は陸軍大臣寺内正毅

日露戦役の兵器奉納記念碑は、時の陸軍大臣寺内正毅が一括して揮毫したようだが、銘が何種類(銘自体の違いや縦書き横書き等)もあり、その都度書いたのか、一括して書いたものからそれぞれの村が選んだのかは不明。

砲弾部を供出した村にもそれぞれの思いがあり、砲弾が乗っていない記念碑の
横に、「外して供出した」旨を刻みこんだ碑を見たことがある。



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