山中に残る石 その2



 平成17年12月10日、地元前原市<現在は糸島市>嵯峨里(江戸時代は中津領)のSさんにご同行いただき、糸島郷土史研究会の方・
前原市<現在は糸島市>の郷土史愛好家の方・私の4名で飯原と雷山・高野の境を歩きました。ルートは嵯峨里〜不動の滝〜筒城神社
(雷山神籠石北水門)〜藤坂橋方向に旧領境を歩き、最後はSさんが若い頃「あんぞう越え」と呼んでいたほとんんど廃道となっている
ような杣道を通り嵯峨里に戻りました。

 Sさんに正確な境を教えていただき、この日も1基発見することができました。

 Sさんは御年74歳になられるそうですが、さすがに山育ちだけあって私より脚が達者かもしれません。何よりナタ使いが上手く私など
では歯が立ちそうに無いような倒木を無造作に一刀両断にしてしまう姿には憧れます。

 半日Sさんに案内してもらい、岩ひとつひとつにも峠ひとつにも言い伝え・歴史が残っていることを教えてもらい、楽しく遊ぶことが出来
ましたが、今この伝承・民話を残していかないときっと消えてなくなってしまうのでしょうね。
 

4(20) B2
文 字
此道より東
    福岡領 
  
場 所
備 考
サイズ゙
高さ 90×横 57×奥行 30(cm) 花崗岩

傍17(21) B3
文 字
境 (突き抜けない) 
  
場 所
備 考
サイズ゙
高さ 35×横 30×奥行 20(cm) 花崗岩

傍18(22) B4
文 字
境 (突き抜ける)  
 
場 所
備 考
サイズ゙
高さ 53.5×横 27×奥行 23(cm) 花崗岩


地元の方がオニグラ(鬼倉?鬼蔵?)呼ぶ古墳です。Sさんのお話では昔はもっと深くて子供数人が入って遊べたそうです。

傍19(23) B5
文 字
境 (突き抜ける)  
 
場 所
備 考
サイズ゙
高さ 47×横 33×奥行 18(cm) 花崗岩

傍20(24) B5-1
文 字
境 (突き抜ける)  
 
場 所
備 考
サイズ゙
高さ 15×横 37×奥行 18(cm) 花崗岩

傍21(25)B6
文 字
境 (突き抜けない) 
  
場 所
備 考
サイズ゙
高さ 63.5×横 28×奥行 19(cm) 花崗岩

5(26) B7
文 字
此道より東
    福岡領 
  
場 所
文字面が道を背にし、道から落下しかけています。道からは右の画像のように見えます。
備 考
サイズ゙
高さ 80×横 55×奥行 27(cm)  石質不明

傍22(27) B8
文 字
境 (突き抜ける)  
 
 
場 所
備 考
サイズ゙
高さ 55×横 30×奥18行 (cm) 花崗岩

6(28) B9
文 字
此道より東
    福岡領 
 
場 所
備 考
この石は道から転がり落ちて裏を向いていました。裏面から見るとただの自然石ですが、もしやと思い3人がかりで
ひっくり返すと文字がありました。こういうのは鳥肌が立つ一瞬です。

右の画像はひっくり返す前の道の上から見た風景。
サイズ゙
高さ 125×横 61×奥行 27(cm) 花崗岩

傍23(29) B10
文 字
境 (突き抜けない) 
  
場 所
備 考
サイズ゙
高さ 53×横 20×奥行 17(cm) 花崗岩

 6−B(44)
文 字
此道よ (以下不明)
    福岡 (以下不明)
 
場 所
備 考
平成17年頃に、この領境石群を一緒に調査した前田さんより、新たに一基見つかったとご連絡をいただき、早速
見に行ってきました。地元の興味ある方を案内していて、その方が「この石は違うのか」と覗き込んで発見されたよ
うです。

完全に前に倒れこんでおり、カメラをすべり込ませて撮影して、やっと文字が読めました。

ここは何十回も歩いており、私たちも目を皿のようにして探したはずですが、私たちは固定観念で「この石は違う」と
覗き込むこともしなかったでしょう。もしかすると当時よりも、何らかの事情で露出していたのかもしれません。
サイズ゙
高さ 85×横 50×奥行 23(cm) 花崗岩

傍24(30) B11
文 字
境 (突き抜けない) 
 
場 所
備 考
サイズ゙
高さ 41×横 30×奥行 20(cm) 花崗岩

傍25(31) B12
文 字
境 (突き抜ける)  
  
場 所
備 考
サイズ゙
高さ 24×横 24×奥行 29(cm) 花崗岩

傍25のすぐ上に分水器があります。下から湧き出した水のうち19/20がA村に、
1/20が傍20の横の溝を伝ってB村に流れるように設計されています。


傍26(32) B13
文 字
境 (突き抜ける)  
 
場 所
備 考
サイズ゙
高さ 65×横 30×奥行 24(cm) 花崗岩

傍27(33) B14
文 字
境 (突き抜けない) 
  
ひっくり返した画像                       発見したときの状態
場 所
備 考
私たちがここを訪れる数日前に転がり落ちたようで土の跡もくっきり残っています。穴の跡を見ると下を向いて倒れ
ていたようですので、落ちなければ見落としていた可能性大です。

あるはずの境石を探しに行って見つけられなかった時など、よく「今日は縁が無かった。」と自分を慰めながら帰途
に着きますが、そういう意味ではこの石とは縁があったのでしょう。
サイズ゙
高さ 90×横 21×奥行 26(cm) 花崗岩

傍28(34) B15
文 字
境 (突き抜ける)  
 
場 所
備 考
Sさんにご案内いただき発見できた石です。
サイズ゙
高さ ×横 ×奥行 (cm) 花崗岩

傍29(35) D9
文 字
境 (突き抜けない) 
 
場 所
備 考
サイズ゙
高さ 87×横 24×奥行 24(cm)

7(36) D10
文 字
此道より東福岡領 
 
場 所
備 考
現在発見している中でこの石だけが1行書きです。またこの石だけが材質が違います。(変成岩?)
まるで後ろの岩に建て掛けるように置かれていますが、後ろの岩と材質が同じですので、現地調達した石に現地彫
りしたことがうかがえます。

下の部分(福岡領の辺り)が変色しているのは猪が体を擦った跡です。ほとんどの石でこの猪の毛づくろい跡が見
られます。
サイズ゙
高さ 118×横 60×奥行 20(cm) 石質不明(変成岩?)

傍30(37) D11
文 字
境 (突き抜けない) 
 
場 所
備 考
右に4つ並んで石を割った時の矢の跡が見られます。ここの傍石にはほとんどの石にこの矢跡を見ることが出来ま
す。
サイズ゙
高さ 45×横 23×奥行 34(cm) 花崗岩

傍31(38) D12
文 字
境 (突き抜けない) 
 
場 所
備 考
サイズ゙
高さ 30×横 31×奥行 21(cm) 花崗岩

傍32(39) D13
文 字
境 (突き抜けない) 
 
場 所
備 考
サイズ゙
高さ 48×横 26×奥行 22(cm) 花崗岩

傍33(40) D14
文 字
境 (突き抜けない) 


 
 
場 所
備 考
サイズ゙
高さ 28×横 23×奥行 27(cm) 花崗岩(一部変成)

雷山神籠石 北水門

傍34(41) D15
文 字
境 (突き抜ける)  
 
 
場 所
備 考
サイズ゙
高さ 41×横 29.5×奥行 26(cm) 花崗岩

傍35(42) D16
文 字
境 (突き抜ける)  
 
 
場 所
備 考
サイズ゙
高さ 41×横 29.5×奥行 20(cm) 花崗岩

8(43) D17
文 字
此道より
   東福岡領 
 
場 所
不動池の北側。この石だけが川の西側になります。この辺りは山中で現在付近に民家はありませんが、嵯峨里の
Sさんによると、昭和初期に一度田畑として開墾されたそうで、確かにきれいに拓かれています。(現在は雑木林と
なっていますが)
備 考
他の「此道より東福岡領」石は「此道より東」と「福岡領」の2行書きですが(1行書きの7の除き)、この石だけが「此
道より」と「東福岡領」に分かれています。
サイズ゙
高さ ×横 ×奥行 (cm) 花崗岩


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