大村領境石

 ☆現長崎市西部の佐賀領(深堀領)と大村領の飛び地境

俵坂(東彼杵郡東彼杵町)
文 字
(上部欠損) 南 大 村 領 
 
場 所
佐嘉領(佐賀県嬉野町)の境、俵坂の峠の上に佐嘉領境石と並んでありましたが、現在は200m程南へ移設されて地神様と並んでいます。
備 考
建立時は高さ1.7mだったそうです。
棹石の基礎部分が露呈しているのも珍しいので↓計測してみました。
この石に関する吉田松陰「西遊日記」の記述
サイズ゙
基礎部分より上=高さ 87×横 20.5×奥行 20(cm)
基礎部分=高さ 37(露呈部分最大値)×横 30×奥行 33(cm)

現長崎市古賀
文 字
従 是 南  大 村 領 
従 是 東 北  大 村 領
 

  
場 所
「南」は井樋尾峠付近、「東北」は上古賀と下古賀(公領)との境に建てられていたものと推測されています。
現在は長崎市古賀の民家の庭にあります。
備 考
1856年(安政5年)フェートン号事件の影響で大村領の戸町と古賀村(公領)の一部上古賀を交換し、上古賀が大村領となります。この石はその時に建てられたものでしょうから、もしかすると私のホームページでは「最新の」領境石かもしれません。明治後、ここに持ち込まれたようですが、しばらくは水車小屋の基礎に使われていたそうです。「南」の石の裏面には2ヶ所溝が彫ってありますが、これが水車小屋の台座の名残でしょう。

俵坂の石も含めて、方角(南・東北)の下に、律儀にスペースが空くのが大村領境石の特徴のようです。
サイズ゙
  南=高さ 124×横 22.5×奥行 23(cm)
東北=高さ 124×横 23×奥行 22.7(cm)  (高さはここに建てる時に合わせただけでしょうが)

長崎市三川
文 字
 従 是 東 北  大 村 領
  
場 所
長崎市三川 個人宅
備 考
長崎市内の大村領飛び地です。



元々は現在この石があるお宅の谷を挟んだ向こう尾根が領境になり、そこ(こちらのお宅所有の畑)に建っていた物だそうです。
サイズ゙
高さ 168×横 21.5×奥行 20(cm)  2009/07/11


現長崎市西部の佐賀領(深堀領)と大村領の飛び地境

 長崎市の西部、三重町・樫山町から旧外海町にかけては、大村領と佐賀領(深堀領)が入り乱れています。普通は村単位等で領(藩)が分かれていくものですが、ここは海岸から山に向けて縦に数十メートルおきに大村領と佐賀領が交互にモザイクのように入っています。

 地元のM先生に勝手に弟子入りしてこの地区の領境石について教えていただきました。M先生は教員を退官された後、地元(出津)の隠れキリシタンの研究をされていらっしゃいますが、支配者(藩)の違いによるキリシタンの弾圧の温度差の観点から領境に興味を持たれて調べられています。「この複雑な支配関係もキリシタンが生き延びられた一因だろう。」とおっしゃっていました。

 尚、領地が交互に入っていったことについてM先生は「新田開発を競い合った結果だろう。」とおっしゃっていらっしゃいます。

 

現三重支所
文 字
       東南大村領
  是 
       西北佐嘉領 
 
場 所
現在は長崎市役所三重支所に
備 考
サイズ゙
高さ 84×横 24×奥行 22.5(cm)

天福寺
文 字
       東北大村領
  是 
       西南佐嘉領 
 
場 所
現在は長崎市樫山町天福寺に。つい最近まで数百m離れた民家の庭先に転がっていたものを、それではいけないということで、M先生や天福寺の和尚さんの尽力で、門前で保護することになったそうです。
備 考
サイズ゙
高さ 93×横 23×奥行 23(cm)

外海歴史資料館1
文 字
 (上部欠損) 川 中 境 迄
          大(らしき文字)
 
場 所
現在は外海歴史資料館に。元々は「カリタス診療所」付近にあったものではないかと推測されているそうです。
備 考
古絵図を見ると山中を走ってきた領境がカリタスの下あたりで川(川の中央)に入るそうです。

そこで、この「1」が上(山中から出てきたあたり)に次の「2」がその下の川近く(川から4間1尺4寸の位置)に建てられて、「1」より上は塚(角塚)を境とし、「2」より下は川(出津川)を境にすることを明記したものだそうです。

 (角塚)
サイズ゙
高さ 83×横 23×奥行 22(cm)

外海歴史資料館2
文 字
 從 是 下 川 側 舫 塚 迄 川 中 境
          東北大村領
          西南佐嘉領
 自 此 塚 川 中 境 迄 四 間 壹 尺 四 寸
 

 
場 所
備 考

サイズ゙
高さ 127×横 24.5×奥行 24.5(cm)

ド・ロ神父記念館
文 字
 從 是 南 佐 嘉 領
 
場 所
現在はド・ロ神父記念館に。
備 考
この石は佐嘉領単独境石ですから本来は佐賀深堀領のページに置くべきでしょうが、外海地区一連の領境石として他の外海地区の境石と一緒のページに掲載します。
サイズ゙
高さ 123×横 24.5×奥行 24.5(cm)

黒崎中学校前
文 字
       東南大村領
  是 
       西北佐嘉領  
 
場 所
長崎市黒埼中前
備 考
サイズ゙
高さ 94×横 23.5×奥行 23(cm)

基礎石のみ
文 字
 
 
場 所
備 考
基礎石のみが車も通れない路地にポツンと残っています。この近くには海に落ちた石(未編集)もあるのですが、その石とは方角が合わないとおっしゃっていらっしゃいました。
サイズ゙
高さ 未計測×横 104×奥行 113(cm) 内径 横 39×奥行 34(cm)

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