この石の存在は2008年7月に、津和野町郷土館の津和野領境石を見に行った折に、郷土館の方から「見たことはないが、多田温泉にも津和野領境石が一基あるらしい。」と情報をいただきました。その時にインターネットで少し検索してはみたのですが、全く情報がなく、いつか行こうと思いながら6年以上の月日が経ってしまいました。
今回島根を旅する機会があり、検索してみたところ、インターネット上に結構情報があってびっくりしました。たぶん、扇原関門跡が整備されたことによるものでしょう。益田の歴史を調べてある方のブログによりますと、この両石は、もともと別個に民家で保存されていた物を、整備に合わせて移設したもののようです。

津和野領境石の裏には現代の境界標が埋設してあり、現在も何らかの境(公道と市有地の境等)として現役のようですが、これはまあ、整備移設の際に、少しでも元位置のイメージに近くにということでしょう。
門林(津和野町郷土館)と星坂の津和野領坂石は、よく似た特徴ある筆跡ですが、この石は草書で書かれており、趣が違っています。といっても、(「ヘタウマ」というのはあまりにも失礼でしょうが)なんとなくイメージが通ずるところがあるように思えるのは、御家流なのでしょうか?
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